【2023最新】航空管制官になるには？仕事内容とは？試験科目や対策を合格者が解説

航空管制官は、
「空の交通整理のスペシャリストとして、レーダーや無線を使って、航空機が安全に飛行できるように誘導し、パイロットに安心を与える」ことが仕事です。

NICE FLIGHT! や TOKYOエアポート、ハッピーフライトなどの様々なドラマや映画で航空管制官が登場しています。

管制官に興味を持っても、「どうすれば航空管制官になれるのか？」「航空管制官採用試験は難しそう」などと考える方が多いと思います。

この記事では、
実際に航空管制官採用試験に合格した私が、航空管制官のなり方や具体的な仕事内容、待遇、試験の概要や対策まで詳しく解説します。

航空管制官の仕事内容は？

航空管制官はレーダーや無線を使って、航空機が安全に飛行できるように誘導する仕事です。
多くの航空管制官が連携して、安全な空の交通を守っています。
また、国土交通省や外部機関で、管制業務以外の仕事をすることもあります。

ここでは航空管制官の主な仕事内容を紹介します。

飛行場管制業務

空港を中心に約9ｋｍ圏内を担当

空港にある管制塔から目視で航空機を捉え、離着陸の許可、飛行場面の走行経路の指示などを出します。

ターミナル・レーダー管制業務

空港から約100ｋｍ圏内を担当

レーダーで航空機を捉え、空港から離陸した航空機を誘導し、他の航空機と安全な間隔を保ちながら上昇させます。

また、各方面からの到着機を航空交通管制部から引き継ぎ、着陸順序を決定し、磁針路や高度などを指示して順番に並べます。

航空路管制業務

日本が担当する空域を4つに分け、札幌・東京・神戸・福岡で業務を行っています。

レーダーで航空機を捉え、空港と空港の間を飛行する航空機に対して指示や許可を与えます。

また、日本の空港を離着陸する航空機のみならず、外国からの通過機にも同様に管制業務を行います。

航空管制官の勤務地は？

航空管制官の勤務地は、全国各地の空港や札幌・東京・神戸・福岡にある航空交通管制部に配属されます。
そのため、転勤（人事異動）が数年ごとに全国規模で行われます。

航空管制官の給与・年収

航空管制官の平均年収は約729万円程度です。

航空管制官の給料には、一般の行政職職員より2割程度高い「専門行政職俸給表」が適用されます。
「専門行政職俸給表」は国家公務員のなかでも専門性の高い仕事に就く人のための俸給表のため、一般的な国家公務員と比べて高めの給与水準となっています。

航空管制官採用試験合格後は、航空保安大学校での基礎研修中も給与が支給されます。

採用当初の給与の月額は、4年制大学新卒・職歴が無い場合、193,000円程度
※ 「一般職の職員の給与に関する法律」の規定によるもので、行政職俸給表(一)1級25号俸が適用された場合の2022(令和4)年4月1日の給与の例。

また以下のような諸手当が支給されます。      

基礎研修を修了し、航空管制官として発令後の給与の月額は東京空港事務所配属の場合は、245,000円程度です。 (調整数2の俸給の調整額及び地域手当含む)

上記の他、期末手当・勤勉手当(いわゆるボーナス)に加え、航空管制手当、夜間特殊業務手当、夜勤手当、休日給が支給されます。

参考：2023年度 航空管制官採用試験-大学卒業程度-受験案内｜国家公務員試験採用情報NAVI

航空管制官になるには？

航空管制官になるには、まず、航空管制官採用試験に合格しなければなりません。

航空管制官採用試験に合格した後、航空保安大学校で8ヶ月の研修を受けます。
その後、航空管制官として全国各地の航空官署に配属されます。
そして、配属先で資格を取ると晴れて航空管制官となります。

航空管制官の試験概要

ここでは航空管制官の試験制度について解説します。

受験資格

試験レベルは大卒程度です。
年齢制限などの応募資格をクリアすれば、基本的に誰でも受験できます。学歴も不問です。

受験資格は下記2点のどちらかを満たす必要があります。

また、以下のいずれかに該当する人は受験ができません。

航空管制官の倍率や難易度は？

就活で人気の高い航空業界であり、国家公務員であるためやはり人気はあると思います。
他の国家公務員試験(大卒)と比べても、倍率は高めです。

航空管制官採用試験の倍率

航空管制官採用試験

	2022年	2021年	2020年
申込者数	808(355)	839(386)	767(324)
第1次試験合格者数	163(72)	87(30)	88(29)
第2次試験合格者数	97(50)	50(21)	50(20)
最終合格者数	85(42)	42(18)	41(15)
倍率	約10倍	約20倍	約19倍

国家公務員採用試験

2022年度	申込者数	1次合格者数	最終合格者数	倍率
航空管制官	808(355)	163(72)	85(42)	約10倍
国家一般職	23,711(10,365)	8,571(3,555)	6,099(2,691)	約4倍
国税専門官	14,867 (6,168)	7,238(2,966)	4,106 (1,837)	約4倍
皇宮護衛官	857 (246)	83 (33)	23(5)	約37倍
海上保安官	622(102)	90(13)	63 (9)	約10倍

航空管制官採用試験の難易度

航空管制官採用試験は、国家公務員試験の教養試験に加えて外国語試験や適性試験などの独自試験が出題されるため難易度は高いです。
特に、外国語試験（多肢選択式）では高い英語力が求められます。

航空管制官採用試験の対策・勉強法

航空管制官採用試験に合格するためには、しっかりとした対策とある程度の勉強量が必要です。

ここでは、管制官試験の具体的な対策とおすすめの勉強法を紹介します。

基礎能力試験対策

国家公務員試験（大卒程度）の参考書や問題集を使って勉強しましょう。

一方で、以下の人には予備校の利用をおすすめします。

数的処理は出題数が多く、知識分野の科目は時事問題以外は各科目1問ずつの出題です。
全範囲を独学で勉強するのはコスパが悪いです。

LEC東京リーガルマインドの市役所教養コース（地方上級・国家一般職）通信コースがおすすめです。
このコースではタブレットやパソコンでいつでも基礎能力試験で必要な教養試験の対策ができます。

外国語試験対策

まずは過去問を解いて、自分の実力を把握した上で、
英文読解、英文法、単語、熟語、リスニングを参考書や問題集で勉強しましょう。

英検準1級、TOEIC800点ほどのレベルの人であれば独学で問題ないと思います。
一方で、以下の人にはスタディサプリの利用をおすすめします。

受験生の大半が正答率が低く、配点が最も高い外国語試験（多肢選択式）で高得点を取れれば、他の受験生に大きく差をつけることができます。

【スタディサプリ】は月額約2000円で、圧倒的にコスパがいいです。
おすすめ参考書で紹介した本の著者である関先生の授業を受けることができます。

適性試験対策

適性試験は以下の2つが出題されます。

この適性試験では、かなりの処理速度と正確性が必要です。

適性試験対策は過去問でしかできません。
適性試験は、何よりも問題に慣れることが重要です。少なくとも10年分は解きましょう。

適性試験は合格者のほとんどが9割以上得点しています。
言い換えれば、勉強すれば誰でも高得点を取れるということです。
毎日数分でもいいのでコツコツと勉強しましょう。

人事面接対策

国家公務員試験である航空管制官採用試験も、やはり人物重視です。
特に、人事面接は外国語試験（多肢選択式）と並び最も配点が高いです。

この3つが受験者に求められる項目です。
加えて、なぜ航空管制官になりたいのか、どんな航空管制官になりたいのかなど自分なりの志望動機を考えて面接練習をしましょう。

面接練習は、大学の就職支援室や自治体のハローワークなどで行えます。
できるだけ多くの人に面接練習をしてもらいましょう。

記事まとめ

ー【2023最新】試験概要ー
・航空管制官採用試験の概要　
・航空管制官採用試験【試験当日の流れと過ごし方】
ー合格者の勉強法ー
・航空管制官採用試験合格者3名の勉強法
・航空管制官採用試験の合格者がおすすめするiPad勉強法
・合格者の体験談①勉強方法
・合格者の体験談②後悔したこと
・合格者の勉強スケジュール
・航空管制官採用試験に合格するために実践したこと
・航空管制官採用試験　直前期にやるべきこと
ー試験対策ー
・航空管制官採用試験対策【基礎能力】
・航空管制官採用試験対策【英語】
・航空管制官採用試験対策【適性Ⅰ】
・航空管制官試験対策【面接】
ー【2023最新】おすすめ参考書・問題集ー
・【2023最新】航空管制官採用試験向け模試紹介
・おすすめ参考書【英語】
・おすすめ参考書【基礎能力】